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地域ごとの料金格差の原因
水道事業体における料金の格差は、地理的条件、気象条件など、様々な要因によって生じます。
地理的条件
給水区域の広さ
給水区域が広ければ、水をつくり、届ける施設(浄水場や配水池など)がたくさん必要になったり、長い距離の水道管(導・送・配水管)が必要になります。
給水区域の地形
水道水をみなさんに届けるためには、高低差を利用した自然流下が一番効率的です。しかし、給水区域の地形や施設の立地条件によっては、低い所から高い方へポンプで水を押し上げて送らなければならない場合があります。 また、高い所から低い方へ水を送る地域でも、傾斜が急すぎる場合は流れが強くなりすぎてしまうため、流れを調整する施設が必要になります。それらの建設費や維持管理費、動力費などが必要になります。
利用できる水源の種類・水質
水源が地下水である場合に比べて、河川の表流水やダムの貯留水を利用している場合の方がコストがかかります。地下水は一般的に水質が良好であり、低コストで利用できますが、表流水などの場合は、沈殿・ろ過施設などの施設建設費や維持管理費、薬品費などが必要になります。また、水源の水質が良好でない場合は、高度な浄水処理のための施設の建設費や維持管理費も必要になります。
利用できる水源からの距離
水源が近くにあるか、遠くに求めなければならないかでも違いがあります。水源が遠ければ、原料となる水を運ぶためのポンプ等の設備費やその維持管理費、また、導・送管等の建設費などが必要になります。
社会的条件
人口・産業の集積度
給水区域面積が広く人口が散在している地域では、長い距離の水道管(導・送・配水管)が必要になります。 大都市のように人口密度が高い方が、最初の投資規模は大きくても、効率的な配水ができることになります。
また、大規模な製造業など、 大口の水道使用者が集積している地域では、効率的な経営ができることになります。
その他
気象条件
寒暖の差が激しい地域では、季節によって一日当たりの使用水量が大きく変動します。しかし、水道施設は、一年間で最も使用水量が多い日でも水が不足しないだけの能力を備えておかなければなりません。このため、その分の施設建設費や維持管理費などが必要になります。