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山形市の水道料金の特徴
水道料金における山形市の現状
山形市の水道料金は全国の全ての事業体の中では中位ですが、都道府県庁所在地など一定規模以上の事業体の中では高い方に属します。
水道料金の格差は、地理的条件・社会的条件・気象条件など様々な要因によって生じ、個別の条件によって一概に言えるものではありませんが、 山形市の状況は以下のとおりです。
山形市では、蔵王ダム(松原浄水場区域:松原水系)、最上川(見崎浄水場区域:見崎水系)、そして寒河江ダム(県営村山広域水道区域:県水系)の3つを主な水源及び水系として水道水を供給していますが、施設の立地状況や受水費用などによって浄水処理にかかる経費がそれぞれ異なります。そのため、給水単価が低い水系から給水単価の高い水系への効率的な水運用などを行うことで電気代や薬品代などを節約し、経済的に水道水を供給しています。また、再生可能エネルギーの有効活用では、松原浄水場で平成26年10月から小水力発電事業を実施しており、場内使用電力の約9割を賄う発電により年間約800万円(H29年度実績)の経費削減につながっています。
このように、経費削減を図りながら事業を経営していることにご理解願います。
地理的条件
山形市は給水区域が広いため、浄水場は多数必要です。 松原浄水場、見崎浄水場の外に、 小規模の浄水場として南部浄水場、東沢浄水場、 山寺浄水場、蔵王堀田浄水場、蔵王温泉浄水場があり、 その建設費や維持管理費などが必要です。
山形市は馬見ヶ崎川の扇状地に発達した都市であり、 傾斜のある地形となっています。 自然流下により配水できる地域もありますが、 見崎浄水場の区域など一定の地域では、 低い所から高い方へポンプを使用して押し上げて送らなければならないため、 動力費などが必要です。
また、 松原浄水場のように高い所から低い方へ水を送る場合にも、 傾斜が急な所では流れが強くなりすぎるために、 水圧を調整する施設を設けなければならず、 その維持管理費や動力費等が必要です。
水源を蔵王ダムの貯留水や最上川の表流水に求めているため、 地下水を水源としている都市よりも沈殿・ろ過施設などの施設建設費や維持管理費、薬品費などが必要です。 また、見崎浄水場には、 よりおいしい水にするための高度浄水処理施設を設けています。 そのため、その建設費や維持管理費などが必要です。
山形市では、安全で安定した水の供給を目指すため、 水源を多岐にしかも市内でまかなえない分については市外に求めてきました。 そのため、原料となる水を運ぶためのポンプ等の設備費やその維持管理費、 導・送管等の建設費などが必要です。
また、寒河江ダムを水源とする県営村山広域水道の水を有料で購入しているため、 受水費用も必要です。
社会的条件
- 給水区域が広く水道使用者が広い地域にわたり散在していることから、 水道管1km当たりの水道使用者が少なくなっています。
配水管1km当たりの水道メーター個数 ※「水道事業ガイドライン」に基づく平成28年度実績- 山形市82個
- 仙台市140個
- 東京都276個
- 年間総有収水量における、家事用での使用割合が、全体の73%(H29年度実績)と高く、工場や事務所などで使う事業用の割合が低いため、1人当たりの使用水量が少ないことも料金を高くする要因です。
その他、気象条件など…
寒暖の差が激しく、季節によって一日当たりの使用水量が大きく変動するため、一年間で最も使用水量が多い日でも水が不足しないだけの能力を備えておく必要があります。そのため、一年を通し使用水量の変動が小さい地域よりも、施設規模を維持していく費用が必要となります。